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霊癒の科学(10) [心霊と人生]

                     霊癒の科学(10)


 学問として体系づけられた心霊研究ではあるが、その概要を
知るには現時点では先達の文献に依るしかないのが現状であり、
なんと云っても、浅野和三郎先生、脇長生先生の著作集による
のが一番である。今回からハリー・エドワーズ著山本 競訳の
「霊癒の科学」を載せます。・・・・

{注}パソコンでの入力の関係上JIS設定にもれている漢字の
   表示が困難な場合は現在の簡易表示体で代用するものも
   あるのでご理解ください。
            霊 癒 の 科 学
     
               ハリー・エドワーズ
               山 本   競 訳


夫人が記録帳から氏名と細目をよみ上げませう。又その日の中に受け
た不在治療についての言葉の申込みを認めてそれが記録帳に記入され
ませう。
 時が経っにっれて新しい発達が認められました。或る人が著者に近
づいて、不在治療はしかじか、かくかくの病訴に対し施す事が出来ま
せうかと尋ねるでせう。霊癒家は記録帳に細目をかき入れると同時に
精神的の記事も造り乍ら施す事が出来ませうと断言しまます。 
一両日中、時には翌日、その友人は患者のため手紙を送ったり電話を
かけたり、叉は来訪したりしませう。
そして患者が著しく速かに恢復してゐた事がわかります。
 その際霊癒家は怠慢にも要求した事についてすべてを忘れていた事
又は、症例の記録もしなければ、患者を慎重に取り扱ひもしなかった
事を認めました。
 斯る症例の第一を著者は暗号と見なしましたが、同様の症例数がふ
えて暗号説は棄てられました。
 此等の霊癒の唯一の合理的説明は、患者叉はその病苦について話さ
れた当座の間に霊癒家が精神的に助けて上げたいと云ふ望みを心に描
く事です。かくして、必然、思念放送が行はれ、霊医がそれを受取っ
て治療を始めるのです。治療機能の働きが起る上に必要なる時問は、
伝達と亨受の状態が好良なる場合には、辛じて一秒の幾分の一以上は
かからないでせう。
                八六頁

戦争の進展につれて、それがための時間の所要量が、患者各個の為に、
送念する何分問かの時を貢献すると云ふ常套的な実習上に使用する時
間の量を超過しました。サイキックエンドロンドンプレツスで企画し
た公開的治療が行はれたので、不在治療への申込みは可なり著しい割
合にふえてきました。
かくて通常の方法ですべての症例に関与する事は愈々益々実行し難い
ものになりました。それで新しい操作が採用されました。その頃各自
の申込みに対し霊癒家からそれぞれ返答されました。
手紙で返事を出す際、彼は自分の前にタイプライターを置いたでせう。
 でも彼は筑初に波長の介った状態を定め、手紙を読んだ際患者の容
態の中に送念を試みそれからタイプライターで返答を綴ったでせう。
此の実行方法により、治療とそれからうけた効果の割合が減少しない
が却って増加した事が注意深く手控えされました。
 読者へ報告上、著者は最後に述べた操作が試みられた以前、六年問
不在治療を施していた事を述べておきませう。
 不在治療が静かで閉ぢ籠った場所で中絶される心配なしに祈願され
る時、雲癒家は比較的適切に波長を合せる事が出来ます。此の状態の
下に、霊癒家は幽体投射(Astral Projection)として知られる他の経
験を認めます。此の語の表現は適切なものでぱありません霊の投射
(Spirit Projection)又は霊的旅行(Spirit Travelling)と云ふ方が
確かによい表現法でせう。
              八七頁

 

次の如き事が起ります。霊癒家は彼の指導霊に波長を合せ、彼の眼を
閉ぢます。彼の内的自我は唯助けを求める事、例えばブラッホードの
クリップス氏が十二指腸潰瘍に悩まされてると云ったやうな事のみに
関心をもちます。霊癒家の内的自我がその状勢中に居ますと、彼の意
識の上にクリップス氏の居る部屋の幻像が描かれて来ます。此の幻像
は、恰もそれを肉眼で見てる様に活々として明確です。丁度霊癒家が
その部屋に実際に居るようです。
 幻像は一分間位、又は数秒問続いて存在してる様に現れませう。
けれどもその幻像はすべてのこまかい点迄容易に記憶してる事が出来
る程はっきりと且つしっかりと心に印象されます。部屋の色の配合、
家具とその特徴、患者が椅子にかけてゐたか又は床の上に居たか、窓、
カーテン等及び患者その人迄、此等は皆霊癒家が未だかつて見た事も
あった事もないのを想い起すでせう。
 通常斯る像を精神的に記録するには、観察により個々に各種目を吸
収してそれを記憶に印する事に、訓練された心に対しても目立つ程の
幾分かを要するであらうと云ふ事実に注目するのは興味があります。
霊的旅行による像は本物でいきいきしてゐて印象的です。
像は霊癒家の心に宿って誇張なしにあらゆる細目を回想する事が出来
る程です。
 多数の場合に於て斯る幻像をえた後で、著者はそれに関係ある人に、
特殊の時問に於ける患者の精細な記述とその環境をしるした手紙を送
り、すべての場合に完全な確認が与えられました。
              八八頁

此等の経験は幾回も起りました。パリツシュ氏其他の霊癒家は類似の
霊的旅行の事件について証言しています。
 或る場合には英国北部から治療のため或る男が妻をつれて著者の詐
に来訪しました。霊癒家がその婦人に治療を施してる間に、その良人
は彼の小児へ不在治療を施してくれと云ひました。
霊癒家は念波の合つた状態にあり、その要求をうけるや霊癒家の意識
はその男の家へ旅行しました。
彼は即時に彼の家の座敷と、その家具什器のみならず、彼の小児とそ
の年令、その小児の遊んでゐた特別の玩弄物についてその男に談す事
が出来ました。その上、小児の看護を頼んで来た近隣の女もそこにい
ました。すべての事が最も細い点迄本当にその語通りでした。
 此はどう説明す可きでせう。
 五々人門が三つの主要な体をもつてると云いました。就中霊体は魂
即内的の心を含有して心霊治療上に使われる主要な能因です。此の霊
的の心は、日常の音響、触感等のやうな肉体的連合の自動的反応から
生ずる記録と元来関係しません。此等の経験をうけるのは真であるが、
それ等は劣勢の経験です。霊的の心の主要な機能は直接思想能囚とし
て作用する事です。此は個々の意識が相容れぬ時に働くやうになりま
す。即ち精神集中に対する必要、又は創造的思想の必要に対して働き
ます。それは人間経験の貯蔵所であり、行為に対する推進力です。
それは個人の性格の反
               八九頁


映で、最も重要で、霊体の原動力に適用されます。
 霊癒家が波長を合せた時、彼は肉体物質の思想優越性を霊癒するもの
に明け渡し、それがその当座優勢な支配者となります。それで霊体旅行
には支配的な霊的の心が劣勢な肉体の心から遊離して、それが自由に引
きつけられる環境即患者の容態の中へ旅行するようになります。
 人々はどうして霊体(吾々は腕や脚等と共に考へ易いから)は霊的の
心を伴うかを怪しみます。
すべての吾々の肉体的経験は、吾々の腕や脚ですら精神的意識にすぎま
せん。吾々の或る部分が一瞬間に、地図や道標の必要なしに、他の場所
に旅行する事が出来るぐので、それによって、その場所における理学的
世界の幻像を記録することが出来ると云へば十分です。霊界通信の記録
に豊富に証明された様に、類似操作で、霊人地上の状態を来訪して、そ
れを陳述する事が出来ます。霊的の心が理学的状態を見ることが出来る
ために、人間の媒介(即ち道具)が必要であるとの論旨は承認されてい
ます。若し此れがそうであったら霊癒家の霊的の心が旅行する際、訪 
間した環境に於て幻像の記録のために媒介として働く事が出来る処の或
る人問の器具がある筈です。上述した症例に於ての著者の経験に対して
媒介として働いたのは小児か叉は隣人であったでせう。
 第二の臆説は、霊癒家の霊の心が患者たちの霊体を見ると云うのです。
来訪者が訪れた時、
                九〇頁

普通の視覚に於けると同様な方法で、すべてが調和して波長が合うから
です。部屋の造作等の幻像はそれらの特徴あるエーテル性の複写から霊
的の心によりて記録されています。
 患者が具合の悪い時、彼は屡々眠りの状態にあるか又は彼の心が目ざ
めてる間も眠っています。
換言すれば彼は普通の理学的物質と余り多く関係しません。かくて彼の
霊的の心は来訪した霊的の心又は霊医と訓和す可き状態におかれていま
す。
 尚接触治療と比類す可き他の経験が、不在治療を実行する霊癒家にあ
るを常とします。
 霊癒家が患者のために祈願するよう、その意識に、思想に、又は画の
形によりて、疾病の原因と関?した出来事が記録されます。
 例へば或る患者が或階段から仰けに落ちる処を見るでせう。そして彼
の内心はそれが六ヶ年前に起ったと彼に告げます。
 斯る出来事が疾病の原円として介理的に追躡されるものである事が幾
度か確めら言ました。
 患者が引証した報告の一〇〇%を確める事が出来たとは言い出しませ
んが、患者は常にかう云います。此等の出来事を回顧して、患者は屡々
朧げな過去に起った事を記憶する事は患者にとって困難ですと、かくて
思想移送又はその他の当て推量の説明は排斥します。
 此処で推論するのは霊癒家の霊的の心が患者の霊的の心と接触したと
云う事です。(経験の倉
                九一頁


庫)。患者は出来事を考えていませんでしたし、又多分一時的にそれを
忘れていたでせうから。それは患者の肉体の心ではあり得ません。
二つの霊的の心の波長が合って、交通したり、会話することが出来ます。
そのやうに霊癒家は彼の霊的の心により、疾病に関係した出来事に留意
するのです。
 片し此の仮説が合理的だとすれば、それは亦霊智者の通信法を示すも
のとして興味があります。
それで報告は国語の必要がない程明白に伝達されます(さながら絵を見
るような記事の図解法の大多数よりもはるかに活きいきしてる)
 不在治療によって治療又は軽快し得る疾病の性状には限界かおりませ
ん。吾々はどうして此等が行はれるかを詳細に語る事はまだ出来ません
が効果が木当にある事はわかってます。それは冷かな事実です。
けれども吾々は基本的概論の或るものを再び回想する事によりその問題
の理解に近ずかんと試みる事が出来ます。
 以前記述したやうに、特殊の主訴に巧みに適川される法則に支配され
た力を含んでる詳述された機能かおるに相違ありません。
 次に治療が申込れた時患者により(又は第三者により)思想力の放出
があります。此は霊的の心が助力に対して活溌な申込をした事、それに
よって霊的の心と霊界に記録された経験とになっ
               九二頁

た事を意味します。
 その時霊癒家が画面に現はれます。彼は手紙を受けとり疾病について
の智識が彼の霊的の心の中に記録されるようになります。
 此等が初歩の要囚です。
 それから霊医が行動を起します。彼が行動を起すのは次の場合又はそ
のいづれかの一つに於てでありませう。即ち
 (イ)患者又は第三者が霊的助力を欲してそれに対して申込をしやう
       と決心した時。
 (ロ)霊癒家が申込書を読んだ時。
   霊癒家が治療の目的で静座している期間です。
 (ハ)は最もそれらしい時です。いっでもそれが起った時、思想申込
       をうける為に隨伴する霊医に
とり都合のよい状態でなければなりません。其の時が霊医と、人間の器
械(霊媒のこと)の霊的部分との問に、享受と伝達の調和がある時に相
違ありません。
 次の段階は霊医として患者に接触する事です。此は実際にあるよりも
吾々にとりては遥かに困難が多い様に思はれませう。それは彼等の問題
中最も容易いものです。霊媒の霊的自我は前述の如く一瞬の中に何の困
難なしに患者の主訴へ施行する事が出来ますから、立智者は確かに、
もつ
               九三頁

  
と容易に患者を探し出す事が出来ます。倫敦の地下鉄で気楽に感ずるより
亀もっと気楽に霊人は彼等の領分で感じてるのは明らかです。
 此について霊医の仕事は主訴に関与する事になります。此の点に迄此等
の論争を支持するため心霊的経論の領域から支持的実証のある事が提言さ
れましたが、然し或る広い概論に対するものを除き、吾々はもう少し進ん
で語る事が出来ます。
 上述の点から第一の要件は霊媒にとりて、患者の霊体を通じて働き得る
ことです。此の霊体が有効な治療の課程上の妨害物となる程にそ、の肉体
的複写と調子がはづれて歪んでるでせう。
又或る個人の肉体は通常の理学的治療機能に非反応的であるように、患者
の霊体も霊癒機能に対し非受亨性でせう。
 げれども一定の普通の亭受性叉は患者の霊体と霊癒機能の問の調和上、
皮和的に、なぜ霊癒が効果を来してはならぬかと云う理由はないように思
はれます。
 霊医は最初、彼の智慧によって主訴を診断するでせう。そして診断と療
法にっいての地上と霊界との医者の方法の問に、差異の世界を認めるでせ
う。実際に生じた不調和を鎮静するよりも、不調和の原因の除去に一層多
くの注意が献げられます。
 それ故、指導霊の仕事を一層よく認識するため、吾々は最初に、疾病の
根本的ぼ囚につき少し
               九四頁

知っておく必要があります。
 此等の原因は先づ、二様です。第一は純然たる肉体的起源で、例えば骨
折、火傷のようなものであります。第二は霊的起源のもので精神錯乱のよ
うな場合です。
 吾々はすべての主訴をこれら二つの項目の下に分類し得る程に、まだ進
歩していませんが然し、読者は心に共伴する疾病、神経症、感情的緊張に
より惹起された症病等は明らかに霊的の種類の中にある事を認めませう。
 ピーターは癌が霊的起源のものであると云いました。此の陳述は最初見
た時、不合理に思はれましやうが本書では後に癌の療法につき説明する時
その論旨を支持す可き理由のあることがわかるでせう。
 かくて霊医が光づ、疾病の原因を診断しうる立場に吾々は到達します。
此等の霊医は、地上の医師が肉体側を見る事が出来るよりも、恐らく、も
っとはっきり吾々の霊体側を見る事が出来るでせう。霊体と肉体とは相互
に交感的複写である事、その中のいづれの体における不訓和も、他に反映
する事を回顧する為、暫時此処に立ち止ろうではありませんか。其結果指
導霊の仕事は益々容易になります。と云うわけは原因が肉体的起源である
と、霊体的起源であるとを問はず霊医は霊体を経てそれを見る事が出来る
からです。
               九五頁


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